2005 6月13日(月)栃木 開拓の高巻ヘズリ沢

*注意、スクロールしてお魚さんを先にチェックするのは
いけません。順を追って割り込み無しでお願いします。
*/・・・。

今回は全くの新規開拓の渓流である、そこで前日の午後
に出発した。
いくつか有りそうな入渓個所の確認もしたい、それと其処
に車が止まっているのかどうかも興味深々である。
地図で標的は此処!と決めると想像が膨らんでワクワク
する、渓流の佇まいを勝手に想像してしまう。それがとっ
ても楽しい、開拓ならでは・ではである、では。

しかし何年も釣りをしているが想像通りの渓流だった、何
てことは有り得ないと思われる。あっても「思ったとおりに
水が綺麗だった」くらいの事でしょうか。

夕方に現地到着、まずは下流部の入渓点へ行くと車はおらん。
歩いて川へ出てみた、踏み跡があるから釣り場であるには違い
ないのだろう。いくら新規開拓・穴場探しとはいっても川の近くで
踏み跡が無かったら、かえって心配になってしまう。

では少し上流側はどうなんだ、パラパラ〜〜(踊りじゃない)雨が
降って来たのだ、予報通りではあります。
ゴロゴロ〜〜・野口でなくカミナリ様、も予報通りであります。
やがてざーざー降りで偵察はこれまで、町まで引き返して明日
に備える。ってもコンビ二で飯とトイレを済ましてドコデモベッドで
寝るだけだけど。

4時に歩きはじめる、まだ曇っていて薄暗くて涼しいくらいだ。
渓に出るとあきらかに増水している、昨日は意外なほど細い流
れと思ったが今は倍くらいかと思える。「ゾ」は「ボ」を連想させる
が、見た目には調度良さそうにも思えるのだが・・・。
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高巻きが終わってザラ場となる
.
てんからりんの15分くらいだろう、ヤマメが派手なアクションで飛び
出した。こちらも派手なアワセで、豆・空を飛ぶ。
今期初物・カーイーなあ。

しかし、その直後から冒険は始まった。
通らずで高巻き、狭いヘズリ。ズリっとしたらお陀仏である。
こう書いただけで此処を知っている人はもしかしてピンと来るかも知
れない、景色を載せるのは止めましょう。何故って読み進むと解る
と思われます。
幸運にも今日はスパイク長靴をチョイスしたのが大正解か、それが
かえって危険につながる事も有り得るのではありますが。


今期初ヤマメはマメ  イワナも小型

高巻きを通過して渓に降り立つとザラ場だった、落ち込みが出はじめ
て直ぐに小型のイワナが掛かる。落差が出ても埋まりぎみで、狙い打
ち短いラインの出番はない。
大きな落ち込みと滝が幾つか出現し大きな淵もあるが、お魚さんは見
えない。どんどん登るが見えない走らない掛からないじゃんか、ジャン
カ・ジャンカ・ジャーン。
釣りはじめて4時間が過ぎている。

細長いプールで魚が二匹が走った、ここで何とかしないと終わりそうだ
よ。一休みしながら様子をうかがっていると、4〜5匹が出て来た。
しかし投げた毛鉤には知らん顔、回り込んで岩陰から短いラインでチョ
ンチョンと浅場のイワナを狙うが、一度見に来ただけで見限った。
意外にスレているらしい。
そこで空中てんからを試すと、これに飛びついて掛かった。
嬉しいのだが20cm弱で、やっと三匹だよ。
それほど釣り人が来るとは思えないのだが。


三匹目も小型だった・・・が
.
登って行くとなだらかになって水量も減って浅くなってしまった、雨後で
これでは期待は出来ないやね。
6時間が過ぎている。
時々曇るが大方晴れてそよ風が心地良い、何故かP/ボトルをいくつか
見ただけで他にゴミは無かった。
昼飯を済ませゴロリと大休止、かなり疲れていて一瞬だがまどろんむ。

まだ12時だが、帰りのヘズリ高巻きを気にしながら下る事にした。
いかにも良さそうだった落ち込みに戻って見てみると、揺らめくものが
見えた、やっぱり居たのだ。
下流へ廻って静かにプレゼン、・・・毛鉤は流れ去る。水面には全く興
味が無いらしい。水中の餌にいそがしいのか、毛鉤にはスレているの
か、その両方か。
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静寂の中に滝が鳴り響く

少し下ると大きな淵があるがそこにも大きそうな岩魚が居た、しかし
テンカラでは立ち打ちできない、届かない。
更に下って滝壷に差し掛かる、大きな淵にまたもや尺とおぼしき魚
が泳ぐのが見える、それも三匹が悠々と。登りの時に気がつかなか
ったが、居てもテンカラではどうにもならないとも思えたろう。
それもそうだが下手の一匹は届く範囲を回遊する、狙ってみよう。

その三匹も水面下で捕食していてほとんどライズはしない、そういえ
ば虫が飛んでいないのは雨の後だからなのか。
悟られぬように身をかがめ、静かになるべく遠回りして下手に。
その時。
下流手前のヘチ際に岩魚が居た、普通なら一番初めに悟られて走
るはずだ。静かに下りたのがよかった。


大淵には大型らしきが泳ぐ
.
腰を落として仕掛けをセット、狙い打ちラインを選択した。
水面直下ならポトリと落したほうがよかろう、掛かった場合も取り込
みがしやすと判断した
タモを左手に握り締める。

そっと竿を出す、デカイ!。
ドキン・・ドキン、・・・・心臓がゆれる。
目の前に落ちた毛鉤にガバ!っと食らい付いた。
合わせた竿がそのまま弓なりに絞られた。
あとは必死だったと言う他はない。
.

見取れてしまう、33cm

デジ亀に収め、岩魚を放すと気が付いたように滝の音が鳴り響いて
いた。
幸運に恵まれたと言うべきだろうが、開拓の初めての渓流でこんな
岩魚に出遭うとは。
しかし、少ないと思えた岩魚が淵には居る、中央の届かない岩魚は
もっと大きいと思われる。
果たして雨の影響が無くなって増水が収まったら、虫が飛びはじめた
らテンカラが有効になるのだろうか。


これぞ、シャクガミ
.
幾たびか訪れて試さなければならない。
釣りは奥が深いと、テンカラは奥が深いと、今更のように思う。
大自然の中で、雨・風・晴れ・曇り・水温・気温、他にも様々に
条件は変るだろう。
限られた簡素な仕掛けで、制約が大きいからこそテンカラの
面白さが際立つと思う。
これは何年やっても好奇心と遊び心が尽きる事はない。

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