2004 9月11日 栃木A沢は霧にむせんでいた

この時期になると「これが今季最終かも」との思いを抱きつつ出かけ
る、用事ができたり天候の具合でそうなってしまう可能性もあるから
だ。

昨年にTさんだけが発見した鹿の骨、頭蓋骨つき。私は2回目に見つ
けてレポに載せたのだが、気持ちのいいもんでは御座りません。
そんな事はどうでもいいのだった。
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静かなる

8時に車から歩き出す、下からの沢音が大きく聞こえる事で増水ら
しいのが分かる。不味い雑炊で終わらなければよいのだけれど。
空は一面の鉛色、前夜の雨のせいか朝露のせいか緑が一層濃く
深く静かなA沢の一面を見たような。

鳥のサエズリもなくセミの音も無い、シットリと岩に張り付いたコケ
が全ての音を吸い込んでしまっている。しかし沢音だけが、飲み込
まれずに溢れ出しているかのように。

なにかしら別の世界に足を踏み入れてゆくような、そうだイワナ釣り
にきたのだった・・・。


キノコがあっちこっちに

落ち込みの流れの向こう側に岩が抜け落ちたような凹み、水深もある
からこれぞ岩魚の隠れP。短いラインでポンと落とす、・・・一度チョンと
躍らせて・・・スッと浮かび上がったものがバシュっと反転。
ピッと合わせた竿がしなって嬉しい気持ちが一緒に湾曲する、最初に
泣き漢字。
9時50分、歩き始めて1時間50分。



最初の24cm、特徴は茶色かな

流れのほとんどが白く泡立ち波立っているから長いラインで流してカポっ
と来るようなオーソドックスな釣りが出来ない、最高のポイントであろう流
れ出しは「ア」もなく「ット」もなく流れ去ってしまう。
したがって、また短ラインでピンポイントの狙い打ち、これが結構好きな
のではあります。魚が見えてときどき・ドキドキしてしまう。

一匹釣れると同じようなポイントを探してしまうようだ、しかし早い流れに
ポイントは多く見つからない。
すこしずづ妥協して狭い凹みも探り出す、当然お魚さんも小さくなっても
仕方ないような。




結果は七つ、24cmまで
.
滝の二股がH1100くらいで、そこからは流れが少し細くなる。
それでも30分おきくらいに釣れてくれるから楽しんで釣り上がる、相変
わらず苔の岩をぬって流れる渓は美しい、水筒など飲み物の用意など
要らないくらいだ。

実はこの辺りで前回漢字一文字サイズを釣りそこなっていた、密かに
楽しみに上がってきたのだ。きたのタケシだ。*/つまらん
なのに見つからんのだ!、どうやら崩れてしまったらしい。
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流れの先がモヤっているような


深みを見つけだして黒イワナ
.

雨が降っている訳ではないが石がしっとりと黒い、苔も水を含んで
いるようだ。寒くなってWブレカーを着込む、小さなポイントに落とし
た毛バリに食いついたイワナも黒かった。
H1200で先が霧に霞んでいる。

流れはいよいよ細くなる、平水なら枯沢になっていたのかも知れな
い。この先に滝があり滝の下が沢の始まりという、流れの無い滝
ならば見るまでもなかろう。
2時、歩き初めて6時間、H1230m、魚止め確認せず。
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むせんでる
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かなり前に書かれた本にこの沢が紹介されていた、その1節。

「樹林に囲まれた一筋の流れを頼りに、単調な沢歩きが続く。
その退屈な気分も、野犬にでも襲われたのか、岸に流れ着いた
シカの死骸を見たとたんに吹き飛んでしまった。」

何故か昨年にも鹿の骨が転がっていたのである。
今回も屍の頭蓋骨が岩の上に飾ってあった、なんだか薄気味の悪い
・・・。まさか、その本の骨ではあるまいが・・・。

    
               今期も頭蓋骨

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