2004 9月17日 栃木DF沢、今期最終の渓はいかに。

さて、楽しんだ今期の渓流ですが多分最終でしょう。
何処で納竿とするのか随分と悩みました、36cmのX沢・赤い岩魚の
C沢・滝を越えたいL沢・裏切らないB沢・大物の期待Z沢・行けなかっ
たQ川・・・など・など。
あっちへ行きたい、がこっちへも行きたい。
早朝に車を走らせながら、未だ悩んでる・・・決まらない・・・。
決めた!、新規開拓のF沢。
おいおい、全然チャウやん。

Fってのはフゥかホォとかと読んでは駄目ー、Eの次だかんね。

今期はBさんの影響で自分にとっての栃木新規開拓に励んだシーズン
だった、そして幾つかの素晴らしい渓流にも巡り逢った。
ならば最後も新規開拓。
これなら、あっちへ行ってこっちが良かったかもなんぞと悔やんだりも
しないに違いない。
渓を楽しめれば釣れなくたっていいのだから。*/ほんとか


秋の気配、すずしい風とイガイガ

残念ながら今日も曇り空、出来れば青空の元でのてんからりんで〆を
飾りたかったのだが、天候ばかりはままならず。
それでも誰も居ない森の中を歩くのは気持ちが好い、流れる空気も緑
がかっているような。
我輩の肺の灰色が排除されて、ハイさようなら〜。*/

ササッ!・・・・何の音。
ットン!・・・・カサン!、目の前に何かが落ちた。
栗だ、見上げると大きな栗の木にそれは沢山の毬栗が実っていた。
落ちると熊笹の中に隠れてしまうから分からなかったのだ。少々頂い
ていこうか、ボで終わったら何んにも梨よりは栗がいいかもね。

しばらく歩くと斜面に下っている踏み後を発見した、予定より少し早い
が川へ向かう人の痕跡を見過ごせない。
いよいよ始まるかあ。。


滝・・・滝が多いらし

笹の下の踏み後を行くと雑木林に入る、すぐに急な下り斜面になって
痕跡が不明瞭になるが。そんなのにかえってくすぐられるのが岩魚の
ルート探索なんですね、開拓なんですね。

しかし30分で後悔した、滝の中段に向かっているのだ。何時かのよう
に滝の上に出るとは限らない、上段に出られないとなると冗段では済
まされない。*/ふざけて場合ではない!
踏み外せば一貫の終わりの崖を草木に捕まってもどるのだ、すると滝
の上へ向かう踏み後を発見した。
こうなるともう前進あるのみ、さらに崖沿を辿って上を目差す事30分、
やっと滝の上に出た。



やっと滝の大高巻き、おっとまだ危ない

出たのは良いが川原に御リ立つには10mほどの崖の上、一足づつ
確認しつつ最後は滑り落ちるように着地した。歩き始めて2時間以
上が経過。
辺りにはゴミも足跡も、人の気配は何も無い。
そしてお魚さんの気配も無い。
ときどき日が差してはまた曇る、秋の空というものか。

竿は出さずに少し進むと滝である。
心配なのは通らずだ、行き止まると戻るのは不可能と思われるから。
行き止まると、・・・息も止まる。*/かァ
釣れても釣れなくっても、二度と来ることはあるまい!とぞおもふ。


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滝を高巻いてほっとした、ところへまた滝・またたくまにまた滝。
これも高巻いて上に出るとやっと渓流らしい景色に出逢えた、やっと
竿を出す気分になりましたよ。

さててんからりん、果たして居るやら居ないやら。
やっと巡り合った渓ならばじっくり探りたい、せめておひとつご挨拶。
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これでなくては

しかし、お魚さんの気配が無い・・・無い。
これは失敗か、A沢でもB沢でもC沢でも何処でも行けば良かった
かもしんない〜。*/今更なんじゃ

しかしそこに雨が降り出した。
しかしのしかしは、好い方向への兆しかもしれず、それがあたって
最初のアタックNo-1。


綺麗なしっぽ、が色気は無し
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最初は食い損なったが再度のアタックでヒット!、やっとこ20cmくら
いだがこんなにも嬉しき七寸弱。

その上はしばらくザラ場模様になってしまう、それなら雨の幸運を信
じて戻ってみよう。
良さそうだったポイントをもう一度探ってみようでは御座らぬか、のう
越後屋・・・。*/出たー、ってそれ誰

100mほど引き返す、静かに端っこを歩いて逆戻る。
岩盤底が多くて隠れPは無いから白泡脇へ振り込んで、泡の消えた
流真に乗せて長めに流す。
小雨で水面が梨地のよう、見えにくい毛鉤がモコっとして消えた。
ググーー!。
合わせた竿がそのまましなって引き込まれる、突然異変が起こった
如く。何が起こったのだ、岩魚がでかいらしいのだ。
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泣いているゥ・・・。


正に泣きの、てんからのプレゼント
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ヒットの瞬間に見えたときは25〜6かと思えたが、この引きは漢字・
一文字・尺かも知れず。
遊ばせてバラシてはこの手応えが空しく残るだけ、ここは強引に引
き寄せた。
いつの間にか雨は止んでいた。
泣き尺29.5cmは立派な岩魚、残念などとの思いはこの岩魚には
失礼千万なる。
残りの5mm或いは8mmは来シーズンへの思いをつなぐ残し物。

未知だった渓流が、きつい行程が・そして雨が、今期最後の岩魚に
逢わせてくれた。心から感謝して流れに放つ。
しかし、この渓にふたたび立つ事があるだろうか、・・・。

            04年の記録メ二ュー
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