2004 6月5日 栃木X川、まさかの36cm

先週はちょっとの差で先行者、イワナ釣りで渓着が7時ってのはのんびり
しすぎだったかも。今どの辺りに先客がいるのか、なんて気にしながら足
跡見ながらの釣りってのは気分が宜しくございません。
そこで今回は暗い内に出発して車止め着5:30、久しぶりのX川へ。
めでたく一番乗り・とっても法ピー!。*/オメデタピー

長い荒れた林道を走り、更に一時間間以上も歩いてたどり付いた小滝の
淵。薄暗い水面は空を反射してどのくらいの深さがあるのか解らない。
すでに空は明るいが谷間はまだ薄暗いまま、魚が居るのか居ないのか。
気配は感ずるような。*/ほんとか
もちろん、そんな気がするのは期待があっての事なのだが。


誰も居ない渓流を行く

握り飯をほうばりつつ仕掛けのハリスを0.8に交換した、当然毛鉤もカケス
の5号に付け替える。ラインも短い2mくらいのもの、大物が掛かった場合長
いラインでは取り込めないかも知れないから。
随分と準備がよろしいこと。
そうしながら「こんな準備万端が功を奏したためしがあったかな?」と、思い
入れはほとんど空振りに終わっていたような気がする。

今しがた壁際から日が差し込み、一部が緑色に透き通って底石が見えるよう
になる。すると柔らかい光が反射して周りの底石も、ぼんやり見えるようにな
った。
跳ね上げていた偏光グラスを下ろすと淵のほとんどが、かなり見えるようにな
っていた。目を凝らすと岩魚がゆくり泳ぐのが見える、その動きを追いながら
少しづつ静かに近寄る。

柔らかく小さな動きで振り込む、何時もより慎重にフワリと投げ落とす。
岩魚が真っ直ぐに、ゆっくり浮き上ってきた。
すーっと、しかしゆっくり接近する。
口を開けた、その瞬間にピクっと手が動いた。
バシャっと反転したが、空振り。
食いつく瞬間に手が反応してしまったのだ。
なんじゃい、また釣りぞこないかいな。


タモの紐のアナが36cm、魚体を真っ直ぐにするとジャスト

しかし食い損なった岩魚は何処かへ隠れてしまった、よくある事だが何故食い
損なうと魚は隠れてしまうのだろう。違和感を感じたのか、それとも失敗の照
れ隠しなんて事もあるか。?

淵の中に目を凝らしていると底石の形が変わった、と見えたのは石でなく岩魚
だったのだ。一番底に沈んでいながら少しずつこちらへ動いている、駆け上が
りだから少しずつ浅くなる。
かなり大きそう。
誘うように軽い振込みを二度・三度、・・・ピクリと反応したような。
少し浮き上がってくる。
もう一度振り込んでそのまま、今度は変な動きをしない事。
スーと一気に浮き上り、そのままガポ!。
果たして、合わせた竿にガツっと手ごたえが。
そのまま引っ張られた、強烈に引き込まれた。
ググ・ググ・・・。
鳴り続けていた沢音も鳥のサエズリも消えた、強烈な引きが抜けてしまう心配
や切れる心配をも消してしまう。
これは上がらない、本当に上がらないと思った。



優しい顔は母なるもの

岩の下にでも入られたら万事休す、強引に引き上げるしかない。
左手で足元に置いたタモを握る、これほどタモを必要と思った事は無かった
ろう。自作の竹ダモから尾鰭が飛び出る大岩魚、36cm。

二度と遭遇する事は無いかも知れない大岩魚、剥製にするべきか。
しかし優しい顔つきのメスである、秋には沢山の子を産むはずの母なる岩魚
なのだ。とても殺してしまう気にはならなかった。
魚が暴れてろくな写真が撮れないが早く戻してやなければならない。
実際に淵に戻すとホッとした、何か一仕事終えたような気分に成るものなの
か。

気が抜けて、再び小鳥のサエズリが青空から聞こえてきた。
足が震えるとかそんなことは無かったが、呼吸の乱れは確かにあったような。

  
実に美しいあめ色のイワナ             ←釣れたのより大きいアタックがあったけど

さて、釣りを続けましょう。
見覚えのある落ち込みと開けた駆け上がりのポイント、ここも必ず居
るはずと言える場所。それぞれが遊んでもらった場所らしい、やっぱ
り居ました。
何故かここのはいかにもネイテブらしい飴色岩魚、鼈甲製のように美
しい。最初に架け損なったアタックはもっと大きかったはず、まだ居る
に違いない。

 
対岸の典型的なイワナP                    漢字サイズが居ました
.
私の好きな岩魚Pだかんね、流れの脇の緩い溜まりにわずかな巻
き返しがある。
人の少ない渓流なら必ずイワナが潜んでる、ここでも漢字サイズが
飛びついた。
.

7匹目は泣き漢字サイズ

引き返しの途中で釣り人に会う、「どうでした?」と聞かれたが
「ボツボツだね」とだけ応える、内心はウヒフヒだったけどね。
「クマが出るから気をつけたほうがいいですよ」ときた、気をつけ
るのはこれから釣り上がるそっちの方だろう。
親切そうな言葉だが突然「熊」を投げかけるのは「危ないから来
ない方が」と言う脅しに他ならない。

高熊てんさん(高倉KENさん)を知らないとみえる。
つまりは此処が穴場と考えているのさ、地元かと思いきや戻っ
て車を見ると埼玉NOだもの。
.

これ60cmサイズ、細い.
.
結果は大小取り混ぜて七匹だったと思われる、しかし「その他」は
大きさも何匹かもかすんでしまったような。自己記録の更新だが、
栃木県での上流域での36cmに意味があるのではないだろうか。

今日の青空と同じように晴れやかな気分でご機嫌さん。
今日が忘れられない一日となるのか、或いは同じような経験に巡
り遭う事があるのか。
.いや単なる釣りの一日なのかも知れない。

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04年の記録メ二ュー