日記 2002 8月20日 湯西川赤下沢と木ノ俣川

風に吹かれて
仙台での雨から一周間が過ぎ、青空のもとでのノホホン釣りがしたかっ
た。良い天気の予報を頂いて急遽の出撃だったが風がビュー〜、風の
事は何か言っていたっけかなア。

さあ釣んなさいと青い空が言っているのだが、釣らしてやらんと風が吹く。
那須が駄目ならいつものように会津かなと思ったものの、北の空は曇っ
て危ない感じ。空を見ながら珍しく湯西川方面へハンドルが向いていた、
何年振りになるのか随分と久振りの予定外。

何処が良いのかあても無く上流へ行って見たが小石の谷になり、引き返
して支流へ迷い込んだ。橋が通行止めになっていたりすると歩けばひょっ
として?、なんて気になるが道は300mでぶっつり途切れていた。
      
         滝と堰堤が重なって           清冽な水と緑の壁
たいした風もなく川に下りて進むと滝と堰堤の複合体に出くわした、山奥
の谷では時折こういう古い堰堤にお目にかかる。巻き道があるから登って
みる事にしよう、果たして「釣り心」か「旅心」かどちらがが満たされるのや
ら。

次ぎに登場した堰堤が素晴らしい、苔と草に覆われた緑の壁を清冽な水
がすべり落ちるのだ。お魚さんの反応は無いが、おにぎり食べながらマイ
ナスイオンを補給する。
  
     導水管に守られた命の水        今も現役の証が
堰堤の上はおきまりの小石のザラ場、上流へ向かう登りの踏み跡を辿る
ことにした。その先では苔に覆われた太い導水管に出会う、U字溝の水路
はよく在るが大切な飲料水として守られてきたのであろう。

更に上流で今も活躍している証があった、沢を渡る所では真新しいワイヤ
ーで補強され保守の為らしい橋が並走していた。
すっかり旅心に浸っていたが釣り心を思い出して渓流の様子を見るために
斜面を下りる、流れはすっかり細ってしまい釣り心も萎むばかり。

  
       渓は心細くなって          しかし命の水は何処までも

導水管は半分以上が埋まった状態で更に続いていた、今思えば渓と出会
い水を引き込む所を確認すれば良かったのに。しかし渓との落差を考える
とまだまだ上流のよう、旅心は釣り心ほどに熱く追い求めるものではない
ようだ。

夜の内に那須方面へ移動すべく会津西街道を北上する、明日も連続して
ビュービューという事はあるまい・な。途中で男鹿の湯に浸った、湯は良
いのだが従業
員の愛想の悪い事。
出る時には打って変わって愛想が良い、と思ったら責任者らしい年配の男
性が伝票のチェ
ックをしていた。ありがちな事ではあるが二度と入る気に
はなりゃせん。


8月21日 木ノ俣川

那須塩原道の駅でドコでもベッド、夜中にはかなりの雨が降って風ゴーゴ
ーの不安な一夜である。寝不足の5時に隣のやはりスペースで寝ていた
中年男性が「お早う御座います」、「あの雲素晴らしいでしょ、10分前が
最高でした」。


なるほど珍しい綺麗な雲       放水口の上は細くなる


成るほどと折角だからでデジ亀コチリ!、「一人で見るには勿体無かった
でしょ」と言うと「そうなんです、起してあげれば良かったなー」。しかし隣
で寝てた奥さんは起してあげていなかった、何んでかな〜。

風はまだ強かったが止み間もあるからK川へ向かう、中流域が水量の安
定で復活しているのだがFFの領域かもしれず。右上のカットがその安定を
支えている7〜8年前に出来た放水口だが、テンカラ師は上流を目指す。

  
    両手を使わないと巻けません       しばらくはザラ場だよ

二つ続きの堰堤の右をへずって巻くとお決まりのザラ場だ、以前は奥の
滝近くまでなだらかな渓相だったが岩が流出して良くはなっている。しか
し中流と違い放流もないと言うことで以前から魚は少ない、だからこその
一匹を求めて探るのだが。

  
     落ち込みが連続すると滝が近い     今回は(も)大物は見えず

旅心は昨日で充分に満たされていた、釣り心を満たすには放流で無さそう
な魚をたったの一匹でよいのだけれど。けれど反応ありません、滝の近くに
なって浅場で走られただけだったが滝つぼはいかに。

そこでは尺上が泳いでいるのを目撃している、大きなプールの悠然たる大
物は見るだけでも価値がある・出来れば釣りたいけど。
久しぶりの大滝は留守番も居ず飛沫と風に吹かれて寒かった、旅心だけを
満喫してトボトボ・トボと引き上げるのでした。

青空と白い雲と涼しい風、まだ禁漁には一月ほどもあるとは思えない秋の
ような一日なり。

             NEXT8月30日 遥かなる羨望の谷、再行

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