日記 2002 6月15日 富山黄金の谷-2

履物を渓流足袋に履き替えていよいよ入渓だ、羨望の渓へ身を投じるの
だ。身を投じても寝転がっても溺れる心配なんぞ無いのだ、そんな小沢だ
が凄いのだ。。
「だ」が続いてしまったのだ。

山スキーさんは下流から、てんはT.Kさんの先導で少し歩いてからとす
る。ラインを結んでいる間にT.Kさんが振り込むと、なんと一投目に釣れ
てしまった。ここから何匹釣れてしまうのか、普通ならじっくり釣り上がり
たいと思ってしまうのだがT.Kさんには違う思いがあったのです。

「三回で来なかったら次へ行きましょう」その辺りは何時もはやらない所、
上流にはもっと良いところが有ると解っているのだから。客人に良い釣り
をさせたいと、無駄をさせまいとの配慮なのだ・「次行きましょ」ハイ。


    TENさんが狙ってる   山スキーさんも狙ってるー

まもなくあっしにもイワナが来た、しかしここで一つ問題があったのだよ。
案外深刻な問題でハッキリした方針を見出せぬまま釣りが始まってしま
った、それは釣れない国の「リリース法案」と釣れる国の「キープ法案」の
外交問題である。

私はリリースに馴れ切っているからキープの支度は無い、しかし「郷に行
っては郷にしたがへ」というように地元に合わせてキープした方が良いの
かとT.Kさんの網ビクへ入れるべく。
だがイワナは私の迷いを見逃さず飛び跳ねて逃げてった、それはそれで
良いと思ったのだが。

その思いを次のイワナも見逃さず又も飛び跳ねて逃げちゃった、T.Kさん
としては折角の「記念の」「お土産」を逃して残念と思ったに違いない。
直後に又釣れた、そこで「今日はキープ法実施」と頭を切り替えたのでし
た。


    岩魚は迷いを見逃さず 逃げた           渓も金色している、・ヒット!

下から山スキーさんが追い付いて三テンカラとなり、岩に囲まれた2m程
の丸い巻き返しに出たがここにも居るに違いない。客人優先にしてもらい
毛鉤を落とす、上はブッシュで振り込みは出来ないポイントだ。
掛かった!水面から半分現れた魚体は何と、金色に輝いていた。

何時の間にか雨が落ちている曇の下にも拘わらず、光りを放って黄金岩
魚が暴れている。しかもかなりの良型だ、竹ダモの30cmの印に合わせ
るとおよそ29cm。
本日最後がGold Trout ?、体の奥で小さな震えが走っていた。

11時頃にはかなりの雨になり、一休みすると寒さが襲って来たがこれに
は弱い痩せッポチのてんさん。今度は本当の震えが走ってきた。


           黄金ヒット!              逆光が残念、金色太岩魚

少し小降りになったところで山スキーさんがガスコンロでカップ麺を作り、
自家製米のお握りを頂いたが「こりゃ旨い・温ったまる・行き返る」。寒い
山でのインスタントラーメンの旨さ×有りがたさは今更言うまでも御座りま
せず。

あっしの釣果は23〜29cmを六匹、三人で二十匹ほどだか「飛ばして」だ、
一人で静かに釣ったら30は間違い無く釣れてしまうだろう。落差のある渓
流だが小さなプールがあれば必ず居る、と言う感じなのだ。

なのに私の大きな反省とは・・・。
ここまでの歩きと急傾斜の沢での汗の為にメガネが曇っちゃう、更にポイ
ントで立ち止まると胸元からの湯気でよけいに雲って毛鉤が見えんぞな。
どうやって釣ったの?全ーん部「感釣り」だから、釣れちゃった”のが実際
なのでした。

        アット、ばらした〜         途中での釣果、皆いい魚体だ

アタックの瞬間を一度も見ていないのは多いに不満でしょ、と言う事はこ
の沢の凄さの証明でもあるのです

毎年の様に30・40と釣っているそこは別世界なのか、何時も簡単に沢山
釣れちゃったら面白く無いのではと考えてもいた。リリース派も稀のようだ
し、確かに釣りの楽しみ方が釣れない国の我々とは違うようだ。
一番の違いは釣る時期と場所、小物と種沢は釣らないなどの考察と配慮
である。何時でも何処でもやる訳ではないのだ、だからこそ今でも別世界
がも保たれているのである。

また何時の日か訪れよう、黄金岩魚に逢いに。
山スキーさん、T.Kさん、大変お世話になりました。

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