2003 7月21日 富山・虹の谷

今期二度目の富山行きが決まった、天然の良型虹鱒とヒョ
ットしたら大岩魚までもが待っていると。
そんな事は本人の勝手な思い込みで、「ヒョットしたら」の方
もどうなるかは誰にも解りはしないけど。

それ以前に天候が不安定で雨を心配していたが、天候も
釣りの結果も時の運みたいなものがあって誰にも予測は付
かぬもの・・・では無かろうか・・・。

20日 寄り道
連休渋滞を加味していたがさほどのことも無く、昼過ぎには
岐阜県に入った。このまま行くと早すぎるから渓流を探しに
脇道へ入り込む、渓流は何処にでも有るものであるものの、
お魚さんは居る所にしか居ないもの。

 
最新式の堰堤なんだろか        倒木藪で進めないんだよ

アユ釣りで賑わう宮川を登って行くと洞谷という支流があった
、手ごろな沢だったが砂で埋まっているような。さまよう時間
は無いので登ってみると真新しい堰堤の様な建造物、この工
事で下流は埋まったようである。

砂防提では無く岩防提とでも言うのだろうか、それをすり抜け
て上流へ入渓したが倒木とブッシュで進めないんだよなー。
この倒木ブッシュはさしずめ釣り防提というところ、挑んでみ
たが引き上げも格闘になるので少し探ってで諦めた。

21日 虹の谷
5時45分の待ち合わせだが宿のロビーから見える道路が濡
れている、フロントで尋ねると「昨晩11時頃から降りだしまし
た」と涼しい顔で言う。確かにこの時期にしては涼しかったし、
そのまま今も断続的に降り続いていたのだ。
山スキーさんに言わせると「明るいから止みます」とキッパリ、
そういわれるとそんな気もして憧れの谷へ向かうのでした。


これでもブッシュと崖から開放されての、沢降り

車が止まって虹の谷への下りが始まった、降り続く雨の中な
れど。初めの内こそ踏み跡が道のようにあったが直ぐに藪の
中に消えうせ、道は未知のみちに成りにけり。

崖状の所に出て山スキーさんが「面白くないな」などと呟き下
降路を探してる、エ!何回もきてるでしょ?。そんなことが2・
3度あって、それもそのはず高度差が250mほどもあるのだ。
やっとこにましな沢筋に出て後ろからデジ亀、あと100mを下
る。

どうにか谷に降り立つ、そこには素晴らしい渓流があるはずだ
った。もち論虹の谷はあったが増水してしる、少し濁ってもいる
が「暫くで退きます」とまたもキッパリ。
そう言われるとそんな気もしてテンカラが始まった、たいした濁
りではないから大丈夫?。
しかし雨は降り続いていた。

  
山スキーさんが狙ってる              かなりの(旨くない)雑炊

「客人お先に」と優先してもらうが多くのポイントは潰れてい
る、イワナなら絶対!のPを探して狙うが無反応。天然虹は
Pが違うのか?、振り返ると山スキーさんが虹を跳ね上げて
いた。
サイズは20cm強だが美しい鰭ピン虹だ、振り返ると又跳
ね上げていた。
毛鉤を以前送ってもらったニンフに替えてやっとこ待望の天
然虹を掛ける、やはり20cmくらいだが引きは確かに強い。
雨が降っているしモデルには小型過ぎるからと写真は撮ら
なかった、その時点で山スキーさんはすでに4匹を釣ってい
たのだった。

その後もあちらは追加している、こちらも大物らしきアタリが
あったが掛からず。毛鉤を交換するなど工夫はしてみるが
釣れないまま、・・・更に雨は降り続いていた。

見覚えのあるドブ(Tyでは淵の事)に出た、まるで水量は違
うが送ってくれた写真の特徴的な景色を思い出す。


此処が富山レポ−9にもあったドブ


以前の写真と比べると水量の違いが解る

此処を過ぎた頃から流石の山スキーさんも釣れなくなってきた、
こちらといえばすでに意欲より諦めの心もち。渡渉もままならない
状況で腰まで水に浸かってしまい、それからは寒さとの戦いにも
なってしまっている。

「もう少しで良い景色」に先へ進むが寒さが増してきた、そう雪渓
が見えてきたのだった。
雪から流れ出る冷気が濡れた体に尚沁みる、好天の日ならさぞ
冷たくて気持ちのよい風が吹いた事だろう。
・・・まだ雨は降り続いていた。


峡谷の先に真っ白な雪渓が

初めの予定ではこの雪渓をくぐって更に上流の滝を超えるはず
だったらしいが、寒さと増水が予定も気持ちをも上回ってしまっ
た。実は暫く前から上がりたかった、引き上げて熱い風呂にど
っぷり浸かりたかったのよ。
やっと撤退OKが出て登り斜面に取り付く、流れから少し離れる
とフっと寒さが和らぐのが嬉しかったり。

岩場を100mほど登って振り返った流れはとっても良い流れに
見える、遠目には増水の川が丁度良い渓流にみえるのだった。
そんな時にお魚さんの写真を撮っていないことを思い出した、あ
れで・一匹で御終いなどとは思わなかったもの。

ベテランてんから師は十匹くらい、こちらは記念のひとつだけ。
何かが違う、・・・いまだ雨は降り続いていた。
 
   振り向けば虹の流れが・・              真ん中に真っ白な雪渓が
登りはきついが岩場はまだ良い方で、草付き斜面になるとフエ
ルト底は滑る。濡れているから尚の事、富山はスパイクに限る
と山スキーさんの足元が言っていたような。

車に戻ると山スキーさんがガスコンロでてんぷら蕎麦を作ってく
れた、昨年もそうだったが雨の山でのアッタカソバは涙が出る
ほどありがたい物であります。

来てみて思うのは富山の自然の厳しさである、天然虹鱒は25
0mもの壁に守られていたのだった。そして林道から望むとクッ
キリ真っ白な雪渓が見えた、その気になったら又来いと言って
いるよないないよな。

また来年のお楽しみ、虹の谷は必ず待って居てくれるだろう。
里に降りてくると、雨など降ってはいなかった。

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03年の日記メ二ュー