2003 5月24日 富山黄金の谷

山スキーさんとは毎週何通かのメール交信をしている、3月の
メールの中にこんなのがあった。
そろそろ山菜採りの計画をたてているところ「4月の後半にゼ
ンマイを採りに二人で行くが、てんさんは釣りで加わらないか」。
何とあの黄金の谷を独り占めさせてあげよう、・・・こんな魅力
的な誘惑にあがらう事など出来様か。〜でけまへん!。

最初の予定だった17日にも山菜に行ったところ、やはり季節
が遅れていてかなりの残雪だったとの事。それでも30mくら
いの試し釣りで漢字サイズ交じりで三匹釣り、他に何匹かを
確認したから24日は良いのではないかと。
イキマッセー!、という事に成りもうした。


この山の、谷の何処かに・・・。

今シーズンは膝が心配だったので別の大物ポイントを案内し
てもらおうと考えていたのだが、富山の谷(ダン)は逃げない
から次回のお楽しみとしよう。
谷は逃げないのは当たり前?、いえいえ北関東の有望渓流
が幾つも土砂で埋まりダムと堰堤で「逃げて行った」のを目の
当たりにしているのだから。

山スキーさんの幾つかの馴染み谷が20年もの間もほとんど
渓相の変化が無いという、黄金の谷の変わらぬポイントを・立
ち木を・もちろん舞茸を山菜をも知り尽くしている。
いずれもが急峻な立山の谷が何故変わらないのか、イヤ変
わらずに岩魚が住める谷を知っているという事なのだろう。

 
この滝が意外に美味い         最初の残雪のお出まし

あの谷まではやはりキツカッタ、やっぱりホヘト坂もきつかっ
た。行道だけであごがでた、膝は痛まなかったがその間の運
動不足がここで露呈してしまう。しかしそれでこその、あの素
晴らしい黄金の谷の存在感なのだ。(真面目〜!)

美味しい水の滝で何度目かの小休止を入れ入渓点を目指す、
釣り支度を整えると最初の残雪がお目見えした。
これくらいは予想の範囲だが先週よりも随分と小さく解けてい
ると驚いていた、この倍もあったそうな。

少し登って山菜班2名と釣り班1名に別れることになり、お魚
独り占めが始まったのだった。しかし人間の(てんさんの)記
憶は不確かなもので「こんなに急激な谷だったろうか」と驚き
つつ岩に乗り上がった所で、大きな雪渓にぶち当たる。


これが雪渓と言う物か

こんなの!、しかも釣りでこんなのを目の前にしょうとは。雪渓
が有ると聞いてはいても「こんなの!」だ、一人ならサヨナラし
ている完全に。
こうして「お魚独り占め〜雪渓独り占め」は始まったのだった、
「格闘独り占め」と言ったほうが当たりかも。

日当たりの良い斜面には1mにも育って「草ソテツ」になってし
まったコゴミの群生、これでもまだ成長途中だし前々週に摘ん
だ残りなのだと言うから驚くより仕方ない。

オットとそんな事は言ってられない釣り班一人占め班のてんさ
ん、ガンバレーの声は自らの心の声なりき。

 
1mもあるコゴミの果て         日陰にはこごんでるのも

左手の巻きを試みたが藪と崖で撤退し雪渓を超えるしかルー
トは無い、フエルト底の足元は滑るから「ボッチャン」もありゆ
る。
そろりそろりと歩いて越えたのだが何が幸運をもたらすか解ら
ぬもので、そっと降り立った目の前の小さな分流の真ん中に
微かに揺らめくものがある。

流れと同化しているからわかり難いが漢字サイズの岩魚だ、
そっと毛鉤を落とすがヒュっと流れてしまい岩魚は背びれが水
面から出てしまう浅瀬まで追ってきた。
定位置に戻ったのでもう一度、また同じで表層を流れ去り追い
つけないが警戒はしていない。

山スキーさんに送ってもたっら毛鉤に変えたが同じ事だ、そこ
で水面で踊らせた。ガポっときて掛かったのは何とこれ又金色
の29.5cm、昨年のよりは色は淡いがやはり黄金の岩魚だっ
たのだ。

 
本流の脇の細流(poの真ん中に居た)   見事な岩魚が網の中

当然竹ダモのメモリに合わせてデジ亀したが、操作ミスで17
枚の写真が消えてしまっていた。もち論、跡で気が付いた時は
跡の祭りなのでした。トホホ〜。
運良くCASIOでも(操作ミスはSANYO)撮っていたのが上の岩
魚、何故そんなミスを。

歩きの途中で藤の花を綺麗に撮ろうと高画質にセットしたのを
忘れ、そのまま撮り続けてメモリーが一杯になってしまった。そ
こで要らない画像を消したのだが、グループ毎消してしまったら
しい。
〜トホホ、全くトホホ。

オレンジに縁取られた見事な扇型の尖がり尾びれと淡い金色、
想像にお任せするしかないがヤッパリ此処は黄金の谷なのだ。
それは後ほど山スキーさんの胃袋に納まったはず、なのら。

 
スノーブリッジも真近に               これはキープOKね

23cmほどのイワナを釣って泳いでいる所を撮ろうと左に竿、右
手にデジ亀を持って写そうとしたのだが。魚がでかくなったり小
さくなったりする、ナンジャ?カメラを外してよく見ると釣れたのよ
りも遥かに大物がじゃれ付いていたのだ。
もち論慌ててシャッターを切ったが、相手が水中なのでモニター
では良く確認出来ない。
それをPCで見るのが楽しみだったのだが、後の祭り・奉り、それ
も消えてしまって。

大きな岩魚が小さいイワナを追い払うのを良く見かける、縄張り
から追い出そうとしているのだろう。この時もそんな行動なのか
も知れないが、「イワナの友釣りが可能だ」などと思ってしまった。

 
これもすれすれで網の中へ、アーメン

 
リリー、危なく山すキーさんの胃袋を逃れた。    これも金

最後に釣った岩魚はリリースサイズだが黄金岩魚の片鱗が見
える美しい魚体、ピンボケながら。

山スキーさん曰く「20cm以上をキープで10匹ですよ、20もい
けると思うけど」。
先週の僅か30mほどの試し釣りでのノルマ設定だ、解らんで
もないがこの谷・この雪渓では素人同然の、のほほんテンカラ
師なればこれで勘弁してくんなましー。

結果はキープサイズが五匹・リリース三匹・掛け損ないは五匹、
毛鉤への食い込みは今ひとつだったと思う。マ・釣れすぎレポ
は見たくない!という人もいるのだし、好感のもてる範囲でよい
かもしんない・・・。


 
これから3時間も下るのだ、今のところ笑顔が見える


Mさんも一休み

たまに見覚えのあるポイントがあるには有るが、景色よりも登り
のルート探しに懸命なのだ。まだブッシュが少ない事と雪渓の
為に景色がまるで違う事もあって、二回目ではサッパリワカラン
のだ。
昨年の黄金のポイントまでもを気付かずに通り過ぎてしまった
のだから。
何回か通わなければこの谷はつかめない、果たしてあと何度
ホヘト坂を越えてこの地にまみえる事が出来るやら・・・。

今回山菜班に加わったMさん、山はかなりのベテランのようで
雪渓を自在に滑り降りる。そして登りながらピッケルで私の為
に下降路を刻んでくれたのだ、これもお見事と言べきものであ
った。

   
        三人とも解らない真っ白な花、実に美しい

その山菜班のお二人はといえば、20kgほどもあるゼンマイをリ
ュックに詰め込んで3時間を下ったのだ。それも今期三回目・・・。
途中の山道で若いカモシカが巣穴から出てきて、例のごとくこち
らをジーっと見つめていたりもした。

書きたいことが山ほどあって上手くまとまらないが、また来年の
レポに譲ることにしましょうか。

山スキーさん、Mさん、お世話になりました。
そして黄金の谷に乾杯!。

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03年の日記メ二ュー